イベントテント、ワンタッチテントは、屋外イベントやマーケット出店、スポーツイベントなど、さまざまなシーンで活躍する重要なアイテムです。しかし、使用を重ねるうちに、どうしても劣化や破損が発生します。
「設営しようとしたら開閉がスムーズでない」
「イベント当日に天幕が破れてしまった」
「ボルトが緩んで不安定になっている」
このようなトラブルを防ぎ、テントを長く安全に使用するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
この記事では、イベントテントの劣化原因から、自分でできる点検方法、そしてシナノテントが提供するメンテナンスサービスまで解説します。


なぜテントメンテナンスが重要なのか
安全性の確保
イベントテントの破損は、単なる物損では済みません。
- 倒壊による人身事故のリスク:フレームの破損や固定不良により、強風時にテントが倒れ、スタッフや来場者に怪我を負わせる可能性があります。
- 天幕の飛散:劣化した天幕が強風で破れて飛散し、周囲の人や物に被害を与える危険性があります。
- イベント中止のリスク:当日にテントが使用できないと、イベント自体が中止になる可能性も。
コスト削減
定期的なメンテナンスは、長期的に見て大幅なコスト削減につながります。
- 小さな不具合の早期発見:ボルト1本の緩みを放置すると、フレーム全体の破損に発展することも。早期対応で修理費を最小限に抑えられます。
- 買い替えの先送り:適切なメンテナンスで、テントの寿命を大幅に延ばせます。
- 部分交換で対応可能:フレームは問題なく天幕のみ劣化している場合、天幕だけの交換で済みます。
イベント運営の円滑化
- 設営時間の短縮:メンテナンスされたテントは開閉がスムーズで、設営・撤収時間が短縮されます。
- トラブル対応の減少:イベント当日に慌てて修理や代替品を手配する手間がなくなります。
- プロフェッショナルな印象:状態の良いテントは、ブランドイメージの向上にも貢献します。
テント破損の3大原因
テントが破損する原因を理解することで、適切な予防策を講じることができます。
1. 経年劣化
主な症状:
- 鉄製フレームの錆
- ボルト・ナットの緩み
- ブラケット(接続部品)の劣化
- 天幕の色褪せや生地の薄化
発生メカニズム:
テントの開閉を繰り返すことで、関節部分のボルト・ナットが徐々に緩んでいきます。また、鉄製フレームの場合、濡れたまま保管すると錆が発生し、その部分が弱くなります。
予防策:
- 使用後は必ず水分を拭き取る
- 湿気の少ない場所で保管する
- 年2回以上、ボルト・ナットの締め直しを実施
- 定期的に防錆スプレーを塗布
2. 衝撃による破損
主な症状:
- フレームの曲がりや凹み
- ブラケットのひび割れ
- ジョイント部分の変形
- 天幕の引き裂け
発生メカニズム:
テント同士や他の備品とのぶつかり、運搬時の揺れや衝撃で、気づかないうちにダメージが蓄積していきます。特に車での移動が多い場合、振動による累積ダメージは深刻です。
予防策:
- ハードケースに入れて運搬
- 車内で動かないようしっかり固定
- テント同士が直接触れないよう緩衝材を挟む
- 積み下ろし時の落下に注意
3. 自然環境の影響
主な症状:
- 強風による変形・破損
- 雨水・雪の重みによる生地の破れ
- 紫外線による天幕の劣化
- 結露や凍結による金属部分の腐食
発生メカニズム:
風の影響:
風速15m/s以上の強風で飛散リスクが急増します。テントは風を受けやすい形状のため、適切に固定していないと、物損だけでなく通行人に怪我を負わせる危険性もあります。
雨・雪の影響:
天幕に溜まった雨水は、わずか10cmの深さでも約60kg以上の荷重となります。この重さに耐えきれず、生地の破れやフレームの破損に繋がります。
予防策:
- 各脚におもり20kg以上を設置(強風時はさらに増量)
- 強風が予測される日はテント設営を中止
- 天幕はベルクロやロック機能で張りを調整
- 雨・雪が溜まったら定期的に地面に落とす作業を実施
- 長期間屋外に設置する場合は、UV加工済みの天幕を使用
自分でできるテント点検チェックリスト
定期的な点検で、早期に問題を発見できます。以下のチェックリストを使って、テントの状態を確認してみてください。
フレーム接続部の点検
□ ボルト・ナットに緩みはないか
→ 手で回してみて、簡単に動くようであれば要注意
□ 錆びや腐食が発生していないか
→ 茶色や黒い変色、粉を吹いている箇所をチェック
□ ブラケット(フレーム接続部品)に割れや変形はないか
→ 目視で確認、指で押して異常な動きがないかチェック
フレーム本体の点検
□ 脚部に曲がりや凹みはないか
→ まっすぐ地面に置いて、目線を合わせて確認
□ 開閉がスムーズに行えるか
→ 引っかかりや異音がある場合は要注意
□ 関節部分の動きに違和感はないか
→ ガタつきや固すぎる動きは異常のサイン
天幕(生地)の点検
□ 破れやほつれはないか
→ 特に縫い目部分を重点的にチェック
□ ベルクロ(マジックテープ)の粘着力は十分か
→ 簡単に剥がれる場合は交換時期
□ 色褪せや劣化が目立っていないか
→ 生地が薄くなっている箇所は破れやすい
□ プリント部分の剥がれはないか
→ 企業ロゴや文字が不鮮明だとブランドイメージに影響
その他付属品の点検
□ 収納カバーは破れていないか
→ 保管時の保護機能が低下
□ ロープやベルトに劣化はないか
→ ほつれや切れかけは早めに交換
メンテナンスの適切なタイミング
最適なメンテナンス時期
イベントシーズン前(2月〜3月):
- 春からのイベントシーズンに向けた準備
- 冬季保管中に発生した不具合の発見
- 修理依頼が集中する前の対応
イベントシーズン後(11月〜12月):
- 1年間の使用による劣化の確認
- 冬季保管前の状態チェック
- 次シーズンに向けた計画的な修理
使用直前の点検も重要:
イベント当日の数日前に必ず点検を行い、万が一の不具合にも対応できるよう余裕を持ちましょう。
シナノテントのメンテナンスサービス
シナノテントでは、お客様のテントを長く安全にご使用いただくため、専門スタッフによる点検・修理サービスを提供しています。
サービス内容
1. テント点検
お手持ちのテントを当社にお送りいただければ、専門スタッフが隅々まで点検いたします。
点検項目:
- フレーム全体の状態確認(変形、錆、破損)
- ボルト・ナット・ブラケットの緩みや劣化
- 天幕の破れ、ほつれ、色褪せ
- 開閉機構の動作確認
- その他付属品の状態
2. お見積もり
点検結果に基づき、必要な修理内容と費用をご提示いたします。お見積もり内容をご確認いただき、ご承認後に修理作業に入ります。
3. 修理・部品交換
対応可能な修理:
- ボルト・ナットの締め直し、交換
- ブラケットの交換
- フレーム脚の交換
- 天幕の補修・交換
- その他部品の交換
料金体系
基本料金(点検): 4,000円(税別)
補修部品・交換部品: 実費
送料: 往復ともお客様負担
お見積もり例:
| 修理内容 | 概算費用(税別) |
|---|---|
| ボルト・ナット交換のみ | 基本料金4,000円 + 部品代数百円 |
| ブラケット交換(複数箇所) | 基本料金4,000円 + 部品代2,000〜5,000円 |
| フレーム脚1本交換 | 基本料金4,000円 + 部品代5,000〜15,000円 |
| 天幕補修(小規模) | 基本料金4,000円 + 材料費1,000〜3,000円 |
※上記は目安です。実際の費用は点検後のお見積もりでご確認ください。
修理期間
通常: 2〜3週間程度
繁忙期(3〜5月): 3〜4週間程度
部品の在庫状況により前後する場合がありますので、余裕を持ってご依頼ください。
ご利用の流れ
STEP 1:お問い合わせ
電話またはメール・お問い合わせフォームでご相談ください。テントの状態や気になる点をお聞かせください。
STEP 2:テント発送
テントを当社までお送りください。(送料お客様負担)
STEP 3:点検・お見積もり
専門スタッフが点検し、修理内容と費用をご提示します。
STEP 4:修理実施
お見積もりをご承認いただき次第、修理作業に入ります。
STEP 5:返送
修理完了後、テントをお客様にお返しします。(送料お客様負担)
補修部品の個別販売について
「自分で修理したい」「特定の部品だけ交換したい」というお客様のために、補修部品の個別販売も行っています。
必要な工具:
- プラスドライバー(クイックルーフNOVA)
- レンチ(テント付属品または一般的な工具)
販売している部品
フレーム部品:
- ボルト・ナット(1本から購入可能)
- ブラケット(接続部品)
- フレーム脚(1本単位)
- ジョイント部品
フレーム一式:
- サイズ別各フレームアッセンブリー
天幕(生地):
- 交換用天幕(全サイズ対応)
- 横幕・サイドウォール
付属品:
- 幕収納袋
- テント収納カバー
- その他オプション品
天幕のプリントサービス
交換用天幕には、以下のプリントオプションをご用意しています。
1. 過去と同様のプリント
既存のロゴやデザインをそのまま再現。ブランドイメージの継続が可能です。
2. 新しいデザインでのプリント
リニューアルや新規デザインにも対応。企業ロゴ、イベント名、スポンサー情報など、自由にカスタマイズできます。
費用: 都度お見積もり(デザイン内容、色数、サイズにより異なります)
よくあるご質問(FAQ)
Q1: どのくらいの頻度でメンテナンスすべきですか?
A: 使用頻度にもよりますが、年1回の定期点検をおすすめしています。イベントシーズン前(2〜3月頃)か、シーズン後(11〜12月)が最適なタイミングです。
Q2: 点検・修理の費用はどのくらいかかりますか?
A: 基本料金は4,000円(税別)で、これに補修部品の実費が加算されます。
部品交換のみであれば数千円から、フレーム本体や天幕交換が必要な場合は数万円程度となります。お見積もりは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
Q3: 自分で部品交換できますか?
A: クイックルーフシリーズは、お客様ご自身で交換できる設計になっています。付属のレンチとプラスドライバーで簡単に作業できます。ご不明な点があれば、電話やメールでサポートいたします。
Q4: 修理期間はどのくらいですか?
A: 通常の修理は2〜3週間程度です。部品の在庫状況や繁忙期(3〜5月)には前後する場合がありますので、余裕をもってご依頼ください。
急ぎの場合はご相談いただければ、可能な限り対応いたします。
Q5: 他社製テントの修理も可能ですか?
A: 基本的には弊社製品(クイックルーフシリーズなど)のみ対応しております。
他社製品につきましては、テントの状態を確認した上で対応可否を判断させていただきますので、まずはお問い合わせください。
Q6: 天幕だけの交換は可能ですか?
A: はい、可能です。フレームはまだ使えるのに天幕のみ劣化している場合、天幕のみの交換が最も経済的です。
全サイズ・カラーバリエーション対応で、名入れ・ロゴプリントも可能です。
Q7: 古いテントのロゴを新しいデザインに変更できますか?
A: 交換用天幕に新しいデザインでプリントすることが可能です。企業ロゴの変更、リニューアル、新規スポンサーの追加など、自由にカスタマイズできます。
デザイン内容により費用が異なりますので、都度お見積もりいたします。
Q8: 保管方法で気をつけることはありますか?
A: 以下の点に注意して保管してください。
- 使用後は必ず水分を拭き取る
- 湿気の少ない場所で保管
- 直射日光を避ける
- 収納カバー、ケースに入れて保護
- 重い物を上に乗せない
- 定期的に開封して換気
適切に保管することで、テントの寿命を大幅に延ばせます。
まとめ
イベントテントのメンテナンスは、安全性の確保とコスト削減の両面で非常に重要です。
この記事のポイント:
- 定期的な点検が事故を防ぐ
年1回以上の点検で、小さな不具合を早期発見 - テント破損の3大原因を理解する
経年劣化、衝撃、自然環境への対策を講じる - 自分でできる点検を習慣化
チェックリストを使って使用前後に確認 - プロのメンテナンスサービスを活用
専門スタッフによる点検・修理で安心 - 部品交換で買い替え不要
ボルト1本から交換可能、コスト削減を実現 - 適切なタイミングでメンテナンス
イベントシーズン前後が最適
シナノテントでは、お客様の大切なテントを長く安全にご使用いただくため、点検・修理サービスと補修部品の個別販売を提供しています。
「このテント、まだ使えるかな?」
そう思ったら、まずはお気軽にご相談ください。プロの目線で、貴社の大切なテントを守ります。


