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NEWS/ おしらせ

news お役立ち 2025.07.09

屋外イベント熱中症対策ガイド

この記事は約12分で読めます

夏の屋外イベントシーズンを迎え、イベント運営に携わる皆様におかれましては、日々の企画・準備にお忙しいことと存じます。

近年、異常な暑さが続く中で、屋外イベントにおける熱中症リスクは年々高まっています。
そうした状況を受け、2025年6月1日より労働安全衛生規則が改正され、屋外作業における熱中症対策が義務化されました。

この法改正により、屋外イベントの主催者や運営会社の皆様には、これまで以上に具体的で実効性のある熱中症対策が求められることになりました。

なぜ義務化されて、どういうことを守ればいい?」
「何から始めればいい?
「具体的にどんな設備が必要?」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、新しい規制の内容から実際の対策方法まで、屋外イベント運営に必要な熱中症対策について詳しく解説いたします。皆様の安全で成功するイベント運営のお役に立てれば幸いです。

熱中症対策義務化の概要とイベント業界への影響

法改正の背景と目的

2025年6月1日に施行された労働安全衛生規則の改正は、近年の猛暑による熱中症事故の深刻化を受けたものです。
職場での熱中症による死傷者数は増加傾向にあり、緊急の対策が求められています。
(令和4年:827人、令和5年:1106人、令和6年:1,257人)

全体の約4割が建設業と製造業で発生していますが、スポーツイベント、音楽フェス、夏祭りなど、炎天下での長時間作業が避けられない屋外イベントの現場でも、スタッフの安全確保が急務となっていました。

厚生労働省発表「令和6年度 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)

屋外イベントにおける適用範囲とWBGT値

今回の法改正では、

  • 湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所
  • 継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業

が対象となります。

地域や環境にもよりますが、気温が上昇し始める梅雨明けから夏本番にかけて(具体的には6月、7月、8月、9月あたり)は、上記の条件に該当する日が増えるため、特に警戒を強める必要があります。

WBGTとは

WBGTとは、「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略で、「暑さ指数」とも呼ばれます。
これは、熱中症を予防することを目的として開発され、イベントでの作業・業務がある場合には把握しておくべき指標です。

WBGTは、以下の3つの要素を考慮して算出されます:

  • 気温:空気そのものの温度。
  • 湿度:空気中の水蒸気量で、高いほど体感温度が上昇します。
  • 輻射熱:直射日光や地面、建物などからの熱放射で、これも体感温度に影響します。

また、WBGTは日射がある場合(野外)と日射がない場合(室内)のそれぞれで計算して割り出すことができます。

  • 日射がある場合:WBGT値 = 0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×気温(乾球温度)
  • 日射がない場合:WBGT値 = 0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

WBGT値の計測方法

WBGT測定器による計測:JIS規格(JIS B 7922)に適合した測定器を使用する方法です。据え置き型とハンディ型が市販されています。(なお、当店ではこれらの測定器のお取り扱いはございません。)

環境省の予報値活用:オンライン情報も利用できます。環境省は、各地域のWBGT値を1時間ごとに予測し、ウェブサイトで公開しています。これにより、測定器や温度計がなくても簡単に予報数値を知ることが可能です。ただし、こちらはあくまで予報値のため、実際の作業現場での実測を推奨します。

環境省熱中症予防情報サイト「全国の暑さ指数(WBGT)

アプリを利用:スマートフォン向けにWBGT測定アプリも提供されています。全国の測定値を網羅しているものや、専用計測器と連動するものなど、様々なタイプがあります。スマホアプリ単独では正確な測定には限界があるものの、その手軽さと利便性は大きなメリットです。専用測定器と組み合わせることで、より効果的な熱中症対策が期待できます。

WBGT値(暑さ指数)は熱中症予防の重要な指針ですが、あくまで目安として捉えることが大切です。 実際には、身体活動の強度や、身につけている備品、衣服の種類など、様々な要素によって熱中症のリスクは大きく変わってきます。
最も重要なのは、現場の状況を注意深く観察し、早急な判断で適切な対応をとることです。 具体的には、こまめな水分補給や適度な休憩を促したり、状況によっては活動の中止を判断したりするなど、臨機応変な対応が求められます。

WBGTについてさらに詳しくはこちらの記事をご参照ください。

環境省熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について

厚生労働省「職場のあんぜんサイト:暑さ指数(WBGT値)」

対象となる作業環境や事業者

対象となる作業環境

必ずしも事業場内外の特定の作業場のみを指すものではなく、出張先で作業を行う場合、労働者が移動して複数の場所で作業を行う場合や、作業場所から作業場所への移動時等も含むとされており、屋外イベントでの設営・運営作業もこの条件に該当する可能性があります。
あくまで「湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所」が適応範囲となります。

特にイベントでは、以下のような作業が挙げられます。

  • 会場設営・撤去作業
  • イベント運営スタッフの業務(受付、販売など)
  • 警備・誘導業務
  • 飲食ブースの運営
  • 音響・照明機材の操作

対象となる事業者

個々の事業者に対し、措置義務が課されるものであり、建設現場にみられるような混在作業であって、同一の作業場で複数の事業者が作業を行う場合は、当該作業場に関わる元方事業者及び関係請負人の事業者のいずれにも措置義務が生ずるとしています。

  • イベント主催者
  • イベント運営会社
  • 設営・撤去業者
  • 警備会社
  • 各種出店者

注意すべき点は、直接雇用のスタッフだけでなく、委託業者や派遣スタッフに対しても、発注者として安全配慮義務を負うことです。

違反時の罰則とリスク

法令違反が確認された場合、以下のような罰則が科せられる可能性があります。

  • 行政処分:作業停止命令、改善指導
  • 刑事罰:6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 民事責任:損害賠償、慰謝料

さらに、事故が発生した場合の社会的信用失墜、今後のイベント開催許可への影響など、金銭的損失を超えたリスクも考慮する必要があります。

イベント主催者・運営会社が負う責任

イベント主催者・運営会社が負う法的義務

労働安全衛生規則第612条の2に基づく義務としては以下が該当します。

報告体制の整備義務

  • 熱中症の自覚症状がある作業者からの報告を受ける体制の整備
  • 熱中症の疑いがある作業者を発見した者からの報告を受ける体制の整備
  • 上記体制の関係作業者への周知

措置手順の作成・周知義務

  • 作業からの離脱手順の策定
  • 身体冷却方法の策定
  • 必要に応じた医師の診察・処置を受けさせる手順の策定
  • 熱中症の症状悪化防止のために必要な措置内容および実施手順の策定
  • 事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地の策定
  • 上記措置内容および手順の関係作業者への周知

書面化について:法令条文では「手順を定め」と規定されており、明示的に書面作成を義務付けてはいませんが、厚生労働省の通達(令和7年5月20日付け基発0520第6号)では「記載」「掲示」「文書の配布」という表現が使用されています。
また、「周知」義務を確実に果たし、万が一の際の説明責任を果たすためには、以下のような対応を行うことをおすすめします:

  • 書面による手順書の作成(緊急連絡網、医療機関情報を含む)
  • 見やすい場所への掲示
  • 関係者への文書配布
  • 口頭での説明との組み合わせ

このように、法令で明示的に求められてはいませんが、義務を適切に履行し、スタッフの安全を守るためには、書面による手順書を準備しておくことが大切です。

屋外イベントの具体的な熱中症対策

スタッフの安全を守るために推奨される、具体的な熱中症対策の3つの重要なポイントを紹介します。

環境の「見える化」と作業調整

WBGT値(暑さ指数)の測定・記録

  • 作業開始前と作業中(2時間おき)にWBGT値を測定し記録
  • 測定値を基準値と比較し、危険レベルを把握
  • 基準値を超えた場合は作業時間短縮や追加休憩を実施

作業スケジュールの柔軟な調整

  • 暑い時間帯(10時〜15時)の作業は可能な限り避ける
  • 1時間作業、15分休憩のサイクルを基本とする
  • 気象予報や熱中症警戒アラートに応じて計画を見直し

体調管理と緊急時対応体制

水分・塩分補給の環境整備

  • 作業エリアから徒歩1分以内に給水ポイントを設置
  • 冷たい水、スポーツドリンク、塩飴を常備
  • 管理者による定期的な水分補給の声かけ(30分おき)

報告・連絡体制の構築

  • 体調不良時の報告先を明確化し、全スタッフに周知
  • 緊急連絡網と最寄り医療機関情報を見やすい場所に掲示
  • 熱中症の症状や初期対応方法を事前に全員で共有

継続的な健康チェック

  • 管理者による定期的な現場巡回(1時間おき)
  • スタッフの顔色、発汗状況、会話の様子を観察
  • 異変を発見した場合は即座に作業を中止し、涼しい場所で休憩

効果的な休憩環境の整備

戦略的なテント配置

  • 各作業エリアから徒歩1〜2分の場所に休憩テントを設置
  • 風向きを考慮し、自然な風の流れを活用
  • 大規模イベントでは複数箇所に分散配置

休憩スペースの快適性向上

  • 遮熱効果の高いテントと適切な横幕で日陰を確保
  • 大型扇風機やミストファンで体感温度を下げる
  • 椅子、テーブル、冷却シートなどの設備を充実

来場者向け涼み処の提供

  • 冷たい飲み物提供など付加価値で来場者満足度も向上
  • 「涼み処」の表示を設置し、気軽に利用できる環境づくり
  • のぼりや自立式バナーで場所を分かりやすく案内

熱中症対策としてのテントについて詳しくはこちらのブログ記事もご参考ください。
おすすめのイベントテントや専用オプション品についてもご紹介しております。

まとめ

2025年6月1日の労働安全衛生規則改正により、屋外イベント運営における熱中症対策は新たな段階を迎えました。法的義務として求められる報告体制の整備と措置手順の作成・周知は、重要な対応です。
適切な準備と継続的な対策により、参加者全員にとって安全で記憶に残るイベント体験を創造していきましょう。

その他参考出典

厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」

厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(パンフレット / リーフレット

一般財団法人中小建設業特別教育協会「暑さ指数(WBGT値)の活用」

無料相談受付中

シナノテントでは、イベント出店やイベントテントの無料相談を受けています
どんな悩みでも構いませんので、ぜひこの機会にご検討ください!

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屋外イベント熱中症対策ガイド

この記事は約12分で読めます

夏の屋外イベントシーズンを迎え、イベント運営に携わる皆様におかれましては、日々の企画・準備にお忙しいことと存じます。

近年、異常な暑さが続く中で、屋外イベントにおける熱中症リスクは年々高まっています。
そうした状況を受け、2025年6月1日より労働安全衛生規則が改正され、屋外作業における熱中症対策が義務化されました。

この法改正により、屋外イベントの主催者や運営会社の皆様には、これまで以上に具体的で実効性のある熱中症対策が求められることになりました。

なぜ義務化されて、どういうことを守ればいい?」
「何から始めればいい?
「具体的にどんな設備が必要?」

といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、新しい規制の内容から実際の対策方法まで、屋外イベント運営に必要な熱中症対策について詳しく解説いたします。皆様の安全で成功するイベント運営のお役に立てれば幸いです。

熱中症対策義務化の概要とイベント業界への影響

法改正の背景と目的

2025年6月1日に施行された労働安全衛生規則の改正は、近年の猛暑による熱中症事故の深刻化を受けたものです。
職場での熱中症による死傷者数は増加傾向にあり、緊急の対策が求められています。
(令和4年:827人、令和5年:1106人、令和6年:1,257人)

全体の約4割が建設業と製造業で発生していますが、スポーツイベント、音楽フェス、夏祭りなど、炎天下での長時間作業が避けられない屋外イベントの現場でも、スタッフの安全確保が急務となっていました。

厚生労働省発表「令和6年度 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)

屋外イベントにおける適用範囲とWBGT値

今回の法改正では、

  • 湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所
  • 継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業

が対象となります。

地域や環境にもよりますが、気温が上昇し始める梅雨明けから夏本番にかけて(具体的には6月、7月、8月、9月あたり)は、上記の条件に該当する日が増えるため、特に警戒を強める必要があります。

WBGTとは

WBGTとは、「Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)」の略で、「暑さ指数」とも呼ばれます。
これは、熱中症を予防することを目的として開発され、イベントでの作業・業務がある場合には把握しておくべき指標です。

WBGTは、以下の3つの要素を考慮して算出されます:

  • 気温:空気そのものの温度。
  • 湿度:空気中の水蒸気量で、高いほど体感温度が上昇します。
  • 輻射熱:直射日光や地面、建物などからの熱放射で、これも体感温度に影響します。

また、WBGTは日射がある場合(野外)と日射がない場合(室内)のそれぞれで計算して割り出すことができます。

  • 日射がある場合:WBGT値 = 0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×気温(乾球温度)
  • 日射がない場合:WBGT値 = 0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度

WBGT値の計測方法

WBGT測定器による計測:JIS規格(JIS B 7922)に適合した測定器を使用する方法です。据え置き型とハンディ型が市販されています。(なお、当店ではこれらの測定器のお取り扱いはございません。)

環境省の予報値活用:オンライン情報も利用できます。環境省は、各地域のWBGT値を1時間ごとに予測し、ウェブサイトで公開しています。これにより、測定器や温度計がなくても簡単に予報数値を知ることが可能です。ただし、こちらはあくまで予報値のため、実際の作業現場での実測を推奨します。

環境省熱中症予防情報サイト「全国の暑さ指数(WBGT)

アプリを利用:スマートフォン向けにWBGT測定アプリも提供されています。全国の測定値を網羅しているものや、専用計測器と連動するものなど、様々なタイプがあります。スマホアプリ単独では正確な測定には限界があるものの、その手軽さと利便性は大きなメリットです。専用測定器と組み合わせることで、より効果的な熱中症対策が期待できます。

WBGT値(暑さ指数)は熱中症予防の重要な指針ですが、あくまで目安として捉えることが大切です。 実際には、身体活動の強度や、身につけている備品、衣服の種類など、様々な要素によって熱中症のリスクは大きく変わってきます。
最も重要なのは、現場の状況を注意深く観察し、早急な判断で適切な対応をとることです。 具体的には、こまめな水分補給や適度な休憩を促したり、状況によっては活動の中止を判断したりするなど、臨機応変な対応が求められます。

WBGTについてさらに詳しくはこちらの記事をご参照ください。

環境省熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について

厚生労働省「職場のあんぜんサイト:暑さ指数(WBGT値)」

対象となる作業環境や事業者

対象となる作業環境

必ずしも事業場内外の特定の作業場のみを指すものではなく、出張先で作業を行う場合、労働者が移動して複数の場所で作業を行う場合や、作業場所から作業場所への移動時等も含むとされており、屋外イベントでの設営・運営作業もこの条件に該当する可能性があります。
あくまで「湿球黒球温度(WBGT)が28度以上又は気温が31度以上の場所」が適応範囲となります。

特にイベントでは、以下のような作業が挙げられます。

  • 会場設営・撤去作業
  • イベント運営スタッフの業務(受付、販売など)
  • 警備・誘導業務
  • 飲食ブースの運営
  • 音響・照明機材の操作

対象となる事業者

個々の事業者に対し、措置義務が課されるものであり、建設現場にみられるような混在作業であって、同一の作業場で複数の事業者が作業を行う場合は、当該作業場に関わる元方事業者及び関係請負人の事業者のいずれにも措置義務が生ずるとしています。

  • イベント主催者
  • イベント運営会社
  • 設営・撤去業者
  • 警備会社
  • 各種出店者

注意すべき点は、直接雇用のスタッフだけでなく、委託業者や派遣スタッフに対しても、発注者として安全配慮義務を負うことです。

違反時の罰則とリスク

法令違反が確認された場合、以下のような罰則が科せられる可能性があります。

  • 行政処分:作業停止命令、改善指導
  • 刑事罰:6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 民事責任:損害賠償、慰謝料

さらに、事故が発生した場合の社会的信用失墜、今後のイベント開催許可への影響など、金銭的損失を超えたリスクも考慮する必要があります。

イベント主催者・運営会社が負う責任

イベント主催者・運営会社が負う法的義務

労働安全衛生規則第612条の2に基づく義務としては以下が該当します。

報告体制の整備義務

  • 熱中症の自覚症状がある作業者からの報告を受ける体制の整備
  • 熱中症の疑いがある作業者を発見した者からの報告を受ける体制の整備
  • 上記体制の関係作業者への周知

措置手順の作成・周知義務

  • 作業からの離脱手順の策定
  • 身体冷却方法の策定
  • 必要に応じた医師の診察・処置を受けさせる手順の策定
  • 熱中症の症状悪化防止のために必要な措置内容および実施手順の策定
  • 事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地の策定
  • 上記措置内容および手順の関係作業者への周知

書面化について:法令条文では「手順を定め」と規定されており、明示的に書面作成を義務付けてはいませんが、厚生労働省の通達(令和7年5月20日付け基発0520第6号)では「記載」「掲示」「文書の配布」という表現が使用されています。
また、「周知」義務を確実に果たし、万が一の際の説明責任を果たすためには、以下のような対応を行うことをおすすめします:

  • 書面による手順書の作成(緊急連絡網、医療機関情報を含む)
  • 見やすい場所への掲示
  • 関係者への文書配布
  • 口頭での説明との組み合わせ

このように、法令で明示的に求められてはいませんが、義務を適切に履行し、スタッフの安全を守るためには、書面による手順書を準備しておくことが大切です。

屋外イベントの具体的な熱中症対策

スタッフの安全を守るために推奨される、具体的な熱中症対策の3つの重要なポイントを紹介します。

環境の「見える化」と作業調整

WBGT値(暑さ指数)の測定・記録

  • 作業開始前と作業中(2時間おき)にWBGT値を測定し記録
  • 測定値を基準値と比較し、危険レベルを把握
  • 基準値を超えた場合は作業時間短縮や追加休憩を実施

作業スケジュールの柔軟な調整

  • 暑い時間帯(10時〜15時)の作業は可能な限り避ける
  • 1時間作業、15分休憩のサイクルを基本とする
  • 気象予報や熱中症警戒アラートに応じて計画を見直し

体調管理と緊急時対応体制

水分・塩分補給の環境整備

  • 作業エリアから徒歩1分以内に給水ポイントを設置
  • 冷たい水、スポーツドリンク、塩飴を常備
  • 管理者による定期的な水分補給の声かけ(30分おき)

報告・連絡体制の構築

  • 体調不良時の報告先を明確化し、全スタッフに周知
  • 緊急連絡網と最寄り医療機関情報を見やすい場所に掲示
  • 熱中症の症状や初期対応方法を事前に全員で共有

継続的な健康チェック

  • 管理者による定期的な現場巡回(1時間おき)
  • スタッフの顔色、発汗状況、会話の様子を観察
  • 異変を発見した場合は即座に作業を中止し、涼しい場所で休憩

効果的な休憩環境の整備

戦略的なテント配置

  • 各作業エリアから徒歩1〜2分の場所に休憩テントを設置
  • 風向きを考慮し、自然な風の流れを活用
  • 大規模イベントでは複数箇所に分散配置

休憩スペースの快適性向上

  • 遮熱効果の高いテントと適切な横幕で日陰を確保
  • 大型扇風機やミストファンで体感温度を下げる
  • 椅子、テーブル、冷却シートなどの設備を充実

来場者向け涼み処の提供

  • 冷たい飲み物提供など付加価値で来場者満足度も向上
  • 「涼み処」の表示を設置し、気軽に利用できる環境づくり
  • のぼりや自立式バナーで場所を分かりやすく案内

熱中症対策としてのテントについて詳しくはこちらのブログ記事もご参考ください。
おすすめのイベントテントや専用オプション品についてもご紹介しております。

まとめ

2025年6月1日の労働安全衛生規則改正により、屋外イベント運営における熱中症対策は新たな段階を迎えました。法的義務として求められる報告体制の整備と措置手順の作成・周知は、重要な対応です。
適切な準備と継続的な対策により、参加者全員にとって安全で記憶に残るイベント体験を創造していきましょう。

その他参考出典

厚生労働省「労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について」

厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(パンフレット / リーフレット

一般財団法人中小建設業特別教育協会「暑さ指数(WBGT値)の活用」

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